2011.12.10 (写真をクリックすると大きくなります☆)
先日、アメリカのニュース局CNN・アジア地区の観光情報を提供するサイトが発表した2011年の世界で人気の美食、堂々の第7位にて、マレーシアの料理"ペナンアッサムラクサ"がランクインしました。
一度食べると忘れられない料理。かなりの通好みで、ハマってしまうと抜け出せなくなる危険なヤツ。ドリアンみたいなもんね。「あの味が好きなんだ」って言える自分に、「私、けっこうヤルね!」とニヤリとします。
とにかく、匂うんです。
今は懐かしさもあいまって、食べたーい!とワクワクするのですが、マレーシアに住んでいたころはショッピングセンターの一角で、ぷおーんと漂う刺激臭に、やられておりました。まさしくドリアンと同じ。匂いに打ち 勝った勇気あるものだけが味わえる、美味なのです。
スープは、魚のダシ。それもアジやサバなどの青魚の身をすりつぶして作るもので、魚の身もスープに入っていて、ドロドロです。
こんな強烈な料理ですから、日本人に需要があるわけがなく、日本で食べられるところはほとんどないのですが、なんと!池袋の「マレーチャン」では、グランドメニューとして存在しています!さすが福沢ママ。マレーシア料理の本物を伝えたい、という心意気が、この料理をグランドメニュー化させています。
それも、マレーシアから取り寄せた、本物のラクサ麺なのです!
タピオカ粉と小麦粉でつくる中太のツルッとした麺。色白のかわいいやつです。
味は、マレーシアのよりもちょっぴり控え目でマイルドですが、それでもやっぱり匂いはぷおんと来るので、心して挑戦を。アッサムとよばれる、タマリンドの酸味とチリが効いていて、さっぱり食べられます。
ペナンアッサムラクサのポイントは、写真のように、レンゲに乗った黒いやつ。
ちなみに、アッサムラクサというメニューもありますが、アッサムラクサにはこの黒いやつは乗っていません。ペナンアッサムラクサよりもさらっとしたスープで、食べやすくなっています。
この黒いやつは、ブラチャンとよばれる海老を発酵させたペーストをお湯で溶いたもの。深みの出る味で、とってもおいしいのですが、こやつが匂いの源。入れる分量はお好みで。
トムヤンクンとはまったく違うけど、辛酸っぱい料理と大胆にくくってしまえば、ジャンルは同じかもしれません。トムヤンクン好きなら、ぜひ!
マレーチャンの公式Webはこちら
ペナンアッサムラクサ(メニューではラクサ麺・LAKSA NOODLと表示):
ディナーメニューのみ 1人前1260円
2011.10.7 (写真をクリックすると大きくなります☆)
マレーシアの国の宗教はイスラム教です。国民の65%を占めるマレー系マレーシア人が信仰しています。
イスラム教にはいくつかのルールがあり、その1つがハラル。ハラルとは、イスラムの法律にのっとった食事法のことで、たとえば、豚肉は食べない、アルコールは飲まない、牛、鶏、羊を食べることはOKだが、ハラルにのっとった解体法が必要など。お肉を解体できるのはムスリム(イスラム教徒)のみ、お祈りをしたり、血抜きの方法など、解体法は細かく定められています。
このハラルという認証。マレーシアであれば、どんなに小さな地元スーパーでもハラル認証つきのお肉が手に入りますが、日本ではそうはいきません。そのため、日本に住むムスリムの方 たちは、ネットの専門サイトでハラル肉を注文するのです。この場合のお肉はほぼすべて輸入牛。日本人のムスリムはほとんどいませんものね。
でも、日本の高級和牛(とくに神戸牛)がやわらかくて、おいしいというのは世界中のムスリムが知っています。ハラルの和牛が食べたい!と希望するムスリムは大勢いるのです。この願い、日本に住んでいるイスラム教徒の方ならなおさらのこと。
そこで、世界中のムスリムのために、ハラルにのっとった和牛を生産しよう!と立ち上がったのが、虎の門に本社を構えるハラルコーポレーション。前回、レポートしたハラル焼肉「牛門」の立役者でもあり、ネットショップにてハラル和牛を販売しています。
こちらが、ネット注文で届いたハラル認証付きの宮崎産のハーブ牛。� ��ール宅急便で到着。しっかり凍っているので、使うときは半日ほど冷蔵庫内で解凍をしてから調理します。
真ん中下の青いマークがハラル認証。ハラル確認の資格をもつラジブさんが認証印を押します。
角切り肉。凍っていたお肉なのに、真空パックのおかげで、肉汁のドリップはほとんどなし。表面をキッチンペーパーで軽く押さえれば、こんな美しいお肉に。スーパーで購入する肉よりもかなり質が高いのです。
このお肉で、ビーフレンダンを作ってみました。ひと晩スパイスでマリネしたハラル和牛をココナツミルクで煮込んで。レシピは、こちらに掲載しているのでぜひ。
レシピはこちら
食べてみて、正直、びっくり。めっちゃ、やわらかーい!
1時間ほど煮込むと、ほろっと箸で切れるやわらかさ。マレーシアにいるときは、ハラルの牛肉は硬い、というイメージを持っていましたが、これは全然違います。やっぱり和牛ってすごいんですね、感動。角切りのお肉は煮込むほどに味が出てとてもやわらかくなるので、カレーやビーフシチューにもぴったり。
このハラル和牛、手料理でムスリムの人をもてなす際にオススメです。このやわらかさを味わってもらえたら、日本の良さを実感してくれるはずですから。(音)
マレーシアハラルコーポレーションの公式Webはこちら
商品の一例:
ハラル宮崎ハーブ牛 焼肉セット(カルビ、ロース、モモ 各100g)300gで1,580円など
2011.8.7 (写真をクリックすると大きくなります☆)
ハラル焼肉。日本人にはピンとこない言葉かと思いますが、イスラム教徒のためのハラル牛肉を使った焼肉のことです。
マレーシアには、日本式、韓国式の焼肉店がいくつかあります。ですが、そこで提供されているハラル牛肉は、ほとんどオーストラリア産。マレーシアでは、日本の和牛や国産牛はハラルとして認定されておらず、イスラム教徒の人が和牛の焼肉を食べることはできません。
子供を失った快適な両親に聖書の詩
ところが、神戸牛をはじめ日本の牛肉がおいしいことはムスリムのマレーシア人もよくご存じ。「和牛を食べたい!」というリクエストは昔からよく聞かれていたのです。
そこで立ちあがったのが、マレーシアハラルコーポレーション代表のアクマルさん。日本全国の農場をめぐり、ハラル和牛として提供できないか、交渉を重ねます。
ハラル認定のためには、いくつもの条件があります。たとえば、○牛の飼育場と加工する場所が同じではなくてはならない。○ムスリムの人のみが解体を行うことができる。○お祈りを唱えながら解体をする。などなど、いくつもの細かいルールをクリアしなければいけない。
そして、ようやく「よし、一緒に� ��ってみよう!」と了解してくれたのが、食肉加工会社のゼンカイミート。社長の萩原さんは常々「世界中の人に日本のおいしい牛肉を食べてほしい」という願いがあり、その思いとアクマルさんの熱意が一致。日本初、いや、マレーシアでもまだ実現していない、日本の牛肉を使った焼肉メニューが渋谷に登場したのです!
これがハラル焼肉セット。
肩ロース、モモ肉、カルビ、キムチ、キャベツサラダ、白いご飯のセットで4,000円。飲みものは別料金です。8ミリくらいの厚切り肉で、食べ応えは抜群!七輪焼なので、炭火の香ばしさをまとい、ジューシーな肉汁が舌の上にじゅわっと広がります。
こちらがハラル焼肉の立役者であるアクマルさん(左)とラジブさん。
ムスリムの人はお酒を飲みませんので、このハラル焼肉をムスリムの人と一緒に食べるときは、ノンアルコールでいくのもオツです。わたしはノンアルコールビールを1本ほどいただき、あとはお茶。久しぶりに焼肉とごはんという組み合わせ(高校生の頃以来かも…。笑)で、懐かしく、おいしくいただきました。
ちなみに、肉の焼き加減はお好みで。マレーシア人(日本人以外、たぶんオーストラリア人も)がしっかり焼いても、それはそれでいいのです。好きなように焼いて食べるのが、七輪の日本式焼肉の良さなのですから。
ムスリムの人との接待につかうレストランを探している方、ぜひ、このハラル焼肉にトライしてみてください!喜んでくれること、間違いなし。(音)
渋谷にある焼� �店、牛門。
●レストランホルモン牛門
住所:渋谷区渋谷3-14-5
予約電話:03-6206-1046
※予約はマレーシアハラルコーポレーションに
営業時間:月~土17:00~翌4:00
日祝17:00~23:00
定休日:無休
席数:45席(個室あり)
カード:可
アクセス:JRほか渋谷駅東口より徒歩7分
詳しくはこちら
2011.6.3 (写真をクリックすると大きくなります☆)
マレーシアでは、多くの料理が小皿に入ったタレとともに運ばれてきます。そのタレは、つけてもよし、つけなくてもよし。はじめはつけずに食べて、つけるバージョンとの味の変化を楽しんでもよし。思い切って麺の上にトロリンとかけてもよし。好きなように楽しめるつけダレ。これをマスターすれば、あなたもマレーシア料理通。
マレーカンポンさんにある代表的なものつけダレはこちらです。
ロイさん:3つのうち下段のものは、生姜、胡麻油、塩、砂糖などでつくる生姜ソースです。チキンライスのつけダレとしてお出しします。蒸しチキンをつけても、ご飯にかけてもおいしいですよ。チキンスープにすこし入れれば、さっぱりした辛味が出て、これもまたおすすめです。
音:お肉に合いますね。
ロイさん:上段左は、オイスターソースに中国醤油などをブレンドしたもの。さらっとしていて、辛くありません。これもチキンライスと一緒にお出ししています。
チャーさん:ごはんにかけてもおいしいですよ。
とろりんとかけてみた!
音:おいしい!醤油に似た色ですが、味はまったく違って、ダシのような甘みがあります。パラパラのタイ米にかけるとあいますね~。
ロイさん:次はチリソース(上の写真の上段右)です。マレーシア料理にチリソースは欠かせません。日本人でいえば、醤油みたいなものかな。唐揚げや春巻きなどの揚物、ソテーした肉類、マクドナルドのポテトフライなど、なんでも付けて食べます。お店のチリソースは、市販のものではなく、ニンニク、砂糖、レモン汁を加えてさっぱり仕上げています。これが無いと僕たちは生きていけませんね。
音:わたしもです(笑)。
ロイさん:これはサンバルブラチャンです。お店では、ナシゴレンの炒めものに使ったり、魚のすり身でつくるオタオタに添えています。唐辛子、玉ねぎ、ニンニク、干しエビ、ブラチャンなどが入っていて、コクのある辛さに仕上がっています。生のきゅうりにつけてもいいですよ。
音:パンチのある辛味。ニンニクもた~っぷり効いています。これでつくったナシゴレンは元気がでそう!
ロイさん:音さん、食べましたよね、この前。
音:そうでした!あの激うまナシゴレン、このサンバルブラチャンが決め手だったのですね。ほど良い辛さで、コクがありました。
ロイさん:これはチリバディ醤油です。タイの小さな激辛唐辛子、プリッキーヌを刻んで醤油につけこんでいます。醤油自体にも辛味が染み出ているので、これだけにつけても辛いですよ。
音:チリバディ醤油、マレーシアでは定番ですよね。マレーシアのチリバディは緑が多く、チャーハン、カントニーズイーミー、クレイポットチキンライスなどに添えられていて、味の変化が楽しめます。辛いもの好きの人は、醤油に浸けるだけじゃなく、このチリパディ本体もバリバリ食べていましたね~。辛いものにハマってしまうのは、じつは日本人も多くて、私の周りにはチリバディ中毒者が続出。日本でチリの苗を育てている友人もいます。
上位5つのイスラム食品
ロイさん:私のマレーシアの実家にもチリの木はありますよ。
チャーさん:うちもです。マレーシアの田舎では、基本的にチリは買いません。家の庭で育てているので。僕のお母さんは、庭でチリをもいで、ぽりぽり食べていました。チリとごはんだけで昼食、なんてこともよくありましたよ。
音:衝撃的!チリごはんですか……。あっぱれです。
取材にご協力いただいたロイさんとチャーさん。
●マレーカンポン Malay Kampung
住所:東京都中央区八丁堀1-4-8 森田ビル2F
電話:03-3537-6690
営業時間:11:30~14:00、17:00~23:00
定休日:日 ※貸切の場合は営業
席数:30席
カード:現金のみ
アクセス:日比谷線ほか八丁堀駅から徒歩4分
※ハラルレストラン
お店のウェブサイト
2011.5.27 (写真をクリックすると大きくなります☆)
マレーシアはお酒の値段が高い国です。なぜなら国民の6割をしめるイスラム教徒はお酒を飲まないので、酒税をどれだけ引き上げようとあまり影響がないからです。お酒は正真正銘の嗜好品、贅沢品ということ。ちなみに酒税、販売税、輸入税の3つの税金がどかんと課されると、おなじみの下町のナポレオンこと、いいちこは、酒屋での販売価格で7,500円くらいします。
ただ、住んでみて分かったのは、マレーシア人はイスラム教徒であろうとなかろうと、あまりお酒を飲みません。それはお酒が高価であること、もうひとつはみんな車で行動するためです。レストランでお酒にのまれている(飲んでいるのではなく、のまれている)のは大抵外国人(わたしたち日本人含� �)。
それに、ソフトドリンクの種類の幅広さといったら、すばらしい。乾燥して水分を抜いた梅干し(よく紹興酒に入れるアレです)とライムをキュッと絞ったカッチャイスイムイ、練乳たっぷりの紅茶テタレ、すいかの生搾りジュースなど、選びたい放題。
なかでも、めずらしいソフトドリンクが、なんと銀座のラサマレーシアにあります。その名もバンチャウ525円。これ、マレーシアにもあるらしいのですが、私は見たことなし。
バンチャウとは、バンドゥンとよばれる赤いシロップとエバミルク(無糖練乳)を加えた飲みものに、ぷるぷるの薬草ゼリーがはいったチンチャウをミックスしたもの。バンドゥンとチンチャウをあわせて、バンチャウ。
下層にたまっている赤いシロップ見えますか?
これはバラのシロップ。甘いシロップの味に、高貴なバラの香りが特徴。はじめにこのシロップだけをすくってバラの香りで癒されてから、全体を混ぜて飲むのがお店のスタッフジェニーさんのおすすめ。美容に効きそうなバラの香り。思わずふぅ~っと、ほっとひと息です。
薬草ゼリーはこれ。真っ黒です。
ぷるぷるの食感のみで、味はなし。仙草とよばれる薬草を寒天状にしたもので、身体を冷やす効果がある、という噂があり。友人が「風邪をひいたとき、マレーシア人の旦那から無理やりこれを飲まされた」と言っていました。
そしてこちら、このウェブサイトの「わたし、マレーシアにいます」のコーナーでペナン在住のアリスタさんがレポートしてくれたロンガンジュース。ラサマレーシアでいただけるのは、これです。
レモンジュースにロンガンが10粒ほどゴロゴロ入っていて食べごたえ抜群。アリスタさんが言っていたように、レモンジュースを先に飲み、最後にロンガンを食べれば、デザートとしても楽しめました。
百花繚乱のソフトドリンク、それもかなり発想豊かです。料理だけでなく、飲みものも色々あるのが、マレーシアなんですよ。(音)
●銀座ラサマレーシア料理 Rasa Malaysia
住所:東京都中央区銀座5-8-13ファイブスタービル8F
電話:03-3289-1668
営業時間:11:30~14:30LO、17:00~22:00LO
土日祝12:00~14:30LO、17:00~21:30LO
(土~22:00LO)
定休日:無休
席数:46席
カード:可
アクセス:東京メトロ銀座駅A3出口より徒歩1分
※ハラルレストラン
お店のウェブサイト
お店の情報はこちらにも
2011.4.23 (写真をクリックすると大きくなります☆)
緑色で平べったい空豆のような形。ネジレフサマメとよばれる豆科の植物で、干しエビのような鼻にむわっとくる個性のある匂い。噛みしめると、エグみのような独特の苦さが口中に広がる。それが、プタイです。
プタイは、日本でいうところの納豆のように、マレーシア郷土の食材として圧倒的な在感をはなっています。でも納豆と違うのは、多くのマレーシア人がプタイを敬遠していること。いや、ほんとです。
たとえば、中国系の総菜が並ぶ屋台には、濃い醤油ダレとサンバルで炒めたプタイ佃煮が用意されていますが、4年間のマレーシア生活のなかで、マレーシア人がその惣菜を食べているのを見たことは一度もなし。わたしがプタイをこっそり皿に乗せている と、「プタイ、スメリィーねぇ」と顔をしかめて通り過ぎるか、「プタイを食べると、おしっこまでプタイ臭くなるからね~」とからかうかのどちらかです。シンガポールやタイでは好かれているプタイですから、マレーシアにもプタイ好きは必ずいるはずなんですけど、いまだ会えず。
プタイは、マレー半島のジャングルに自生している植物で、ツタのようにねじれて薄っぺらい鞘のなかに入っています。市場ではこんな感じで売られています。
(馬来西亜マレーのオーナー稲葉さん撮影)
プタイは、マレーシアの原住民であるオランアスリが好んで食べるらしく、彼らは生のままでかじるとか。実際、ビタミンB2、繊維質、鉄分が多く含まれ、高血圧にも効果のあるヘルシー食でもあります。
このプタイ、日本で心ゆくまで味わいたいなら、祖師谷大蔵駅から徒歩10分のマレーシア料理店「馬来西亜マレー」に行くべし。オーナーの稲葉さん、なんとプタイにぞっこんで、プタイを語らせたら、もう止まりません!
あなた自身の強力な呪文を書き込む方法
音:プタイが好きだなんてツウですよね~。
稲葉さん:僕だけじゃなく、こちらにくるお客さまのほとんどはプタイを気に入って下さっています。プタイ料理しか食べない、というツワモノもいますよ。この苦さ、この臭さ、やみつきになります。
音:はじめてプタイを食べたのは?
稲葉さん:キャメロンハイランドに行く途中、オランアスリの集落の横を車で通ったんです。そのとき、彼らが食べていた怪しい豆が目に入りまして。その場で車を止めてもらって、即購入。その日の夜に、マレーシア人のお母さんに料理をしてもらったんです。料理をしてくれ たお母さん以外、家族みんなが「くさ~い」と逃げ回っていましたけどね(笑)。はじめて食べたプタイのおいしいかったこと!このときから見事にハマりました。
音:お店のプタイ料理を教えてください。
稲葉さん:いちばんのおすすめは、プタイカレー(プタイカレー、チリポテサラダ、チャイのアラカルトセットで1,700円)です。「馬来西亜マレー」は、マレーシア料理とうたってはいますが、レシピはすべて私のオリジナル。大好きなマレーシア料理をアレンジして提供しています。このプタイカレーは、プタイとカレーのコラボが絶妙で。じぶんでもどうしてこんなにおいしいカレーが作れてしまったの!と自画自賛してしまうくらい(笑)です。
音:これがプタイです。
音:(ひと口食べて)お~!牛と豚のミンチと玉ねぎの甘みがきいたコク深いカレーに、プタイが絶妙です。プタイが肉のように存在感があり、それでいてカレーにぴったり寄り添っています。はじめは熱いかな?というじんわり来る程度の辛さですが、食べすすめるごとに辛みが重なってきて汗が出てきました。これきっと、マレーシアで売ったら人気でますよ!そしてこちらのプタイ料理も、プタイがてんこ盛り!
稲葉さん:サンバルプタイ1,000円です。せっかくプタイを味わうなら、これくらいプタイを食べてもらわないとね。
音:自家製サンバルソースに醤油でコクを加えたタレとプタイの相性がいいですね!そこに干しエビの香ばしさが効いています。ビールのおつまみや白いごはんにぴったり。しかし、あれですね。こんなにたくさんのプタイ、マレーシアに住んでいた4年の量を軽く超えました…。身体がプタイに染まったみたいです。あ!あそこにプタイカレーを味わっていらっしゃる方発見です!さっそくインタビューしてみます。プタイカレーは初めてですか?
若い男性:いえ、初めてではありません。この店の常連で、プタイカレーが好きな� �です。
音:プタイ、けっこう強烈な味だと思いますが大丈夫ですか?
若い男性:……いえ、そんなに強烈ではないですよ。枝豆のような感覚です。
音:すばらしい!マレーシアで絶対に生きて行けます、断言です(笑)。
稲葉さん:当店にはお客さまもプタイ好きが多いんです。とくにプタイカレーはここでしか食べられない味ですからね。
音:世界一プタイを愛する稲葉さん、本日はありがとうございました。
取材した馬来西亜マレーの皆さま。左より稲葉正夫さん、稲葉捷子さん
●馬来西亜マレー
住所:東京都世田谷区祖師谷4-21-1
電話:03-3484-0858
営業時間:11:30~14:30LO、17:30~21:00LO
定休日:火・水 ※2011年5月より、木も定休予定
席数:22席
カード:現金のみ
アクセス:小田急線祖師谷大蔵駅より徒歩10分
※不定休があるので、電話にて確認を
お店のウェブサイト
2011.4.15 (写真をクリックすると大きくなります☆)
屋台街として有名なブキビンタンのアロー通り。都心にあり便利な立地のため、観光客向けのビジネスを展開しているお店が多く、値段は高め。そうはいっても小さな屋台が通りの両側に50軒近くひしめき合い、子供から大人まで、いろんな人種の人たちがワイワイ食事をしている光景は、いつ見てもワクワクするもの。
そこで初めて食べたのが、バタープロウンと呼ばれるエビのバター炒めでした。インドカレーの一種であるバターチキンのように、香りたかくコクのあるソースは、たっぷりのバターとカレー粉によるもの。ポイントはカレーの葉っぱで、この葉っぱからもいい香りがするんです。はじめて食べたとき、これは、うますぎる!と悶絶したくらい。九州出身、 ラーメンはとんこつ派のわたしにはたまらない濃さでしたから。
そのバタープロウンにそっくりな料理がこちら。銀座のラサマレーシアで提供している、お頭付きエビのミルク炒め1365円。日本でも食べられるんですよ。
エビのミルク炒め、もちろんマレーシアでも人気の料理で、バタープロウンが濃い過ぎると感じる人には、ミルク炒めのほうが好まれます。
エビに絡んでいるソースは、バターとエバミルクによるもの。エバミルクとは牛乳を濃縮させたもので、いわば砂糖を加えていない練乳です。エバミルクのミルキーな味、バターの濃厚さ、そこに刻んだチリが刺激的。さらにカレーの葉っぱとパンダンの葉っぱが豊かな香りをつけています。
うますぎます!
エビはプリップリの弾力で、サイズは大ぶり。食べ応え抜群です。そのことをお店のスタッフ、ジェニーさんに伝えると、
「音さん、海鮮はすべて築地仕入れなんですよ」と教えてくれました。築地の鮮魚でつくるマレーシア料理。贅沢過ぎる……涙。
エビは素揚げしてからソースと炒めているので、丸ごとかじってもOK。殻を剥いて食べたい人は、熱いうちに召し上がれ。冷めてしまうと殻がエビの身がぎゅっとくっ付いてしまい、外しにくくなります。
ラサマレーシアは、シェフのテオさんが港町出身ということもあり、魚介料理にはかなりのこだわりがあります。鯛のお頭でつくるフィッシュヘッドカレーは、以前グルメ雑誌『おとなの週末』で絶賛されたほど。もしかしたら日本で食べる魚系料理はマレーシアより� �おいしいかも?!そんなことに気付かせてくれたエビ料理です。(音)
●銀座ラサマレーシア料理 Rasa Malaysia
住所:東京都中央区銀座5-8-13ファイブスタービル8F
電話:03-3289-1668
営業時間:11:30~14:30LO、17:00~22:00LO
土日祝12:00~14:30LO、17:00~21:30LO
(土~22:00LO)
定休日:無休
席数:46席
カード:可
アクセス:東京メトロ銀座駅A3出口より徒歩1分
※ハラルレストラン
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2011.3.28 (写真をクリックすると大きくなります☆)
マレーシア発祥の料理、バクテー。八角、シナモン、玉竹、くこの身、胡椒、クローブ、どくだみ、シネンシス(チャ樹)、カンゾウなど、約10種の香辛料で豚肉をぐつぐつ煮込んだもの。漢方薬のような独特の匂いが特徴的で、遠くからでもその存在感は抜群です。
これがクアラルンプールのバクテー。熱々の土鍋で運ばれてきます。
こちらは、クアラルンプールから車で1時間、港町クランのバクテー。クランは、バクテー誕生の場所。豚の部位ごとに注文します。
このバクテー、あるマレーシア人から「どうして日本人はこんなにバクテーが好きなのか?」と聞かれたぐらい、マレーシアで暮らす日本人の心を魅了しています。●香辛料パワーで驚くほどやわらかい豚肉になり、●ガッツリ肉料理なのにまったく胃もたれせず、●中国醤油とにんにくで煮込んだスープがコクのある醤油ラーメンに似ていて、●暑い国で食べる熱々料理に風情がある……などが人気の理由。彼らにはかならずお気に入りのバクテー屋があり、「あの店のバクテーはスープがうまい」「いや、肉のやわらかさはこっちだぞ」と、バクテー談義で軽く2時間は盛り上がれます。
バクテーは豚肉を使うため、イスラム教の人は食べられません。マレーシアやシンガポールに暮らす中国系民族が愛す� �料理です。
バクテーは漢字で「肉骨茶」。その昔、お薬を飲みたがらない体の弱い子のために漢方医が工夫して作った料理だとか。彼の骨となった肉料理。だから肉骨茶(バクテー)なのです。
さて、日本でバクテーを提供しているマレーシアレストラン「チリパディ」。シェフのジェニファーさんに、バクテーについてインタビューしてみました!
こちらがチリパディのバクテー、季節限定で提供中。豪快なスペアリブがどかんと入っています。
音:スペアリブの肉、簡単に骨から外れますね。それに肉質もやわらかい。何時間くらい煮込んでいるのですか?
ジェニファーさん:1~2時間です。たっぷりのにんにくと香辛料で湯を沸騰させたら、固い部位から順番に豚肉を入れます。豚の油が浮いてきたら、丁寧にすくうこと。そうすることで、油っこくない、あっさりしたスープに仕上がるんです。
音:香辛料以外の調味料について教えてください。
ジェニファーさん:おもなものは中国醤油とキャラメルソースです。キャラメルソースとは、中国醤油と砂糖を弱火で3時間以上煮つめた甘いソース。とろみのあるこのソースが、バクテーには欠かせません。
ジェニファーさん:自家製のサンバルブラチャンです。発酵エビのペーストで作ったブラチャンソースに、チリでつくるサンバルソース、そこにライムジュースを加えてさわやかに仕上げています。
音:バクテーは身体にいいと聞きますが、どんな効果がありますか?
ジェニファーさん:中国の香辛料には、様々な効能があります。たとえば冷え性の改善、新陳代謝のアップ、にんにくがたっぷり入っているのでスタミナがつくとも言われています。
音:バクテーは、昔からマレーシアで親しまれていたのですか?
コオリさん:僕がマレーシアで暮らしていたのは、今から25年くらい前。そのころ有 名なバクテー屋は、森のなかにありました。ツインタワーの建設前、今のように発展していなかった頃のクアラルンプールは、緑が生い茂った森のようでしたから。そのバクテー屋はうまかったですね。そうそう、バクテー屋に集まるマレーシア人は、みんな鳥かごを持って来ていましたよ。
音:鳥かご?
コオリさん:飼っている鳥の鳴き声を周りに聴かせるんです。バクテー屋の軒先には鳥かごがいくつもぶら下がっていて、鳥の鳴き声を聞きながらバクテーを食べていた。それが僕のバクテーの思い出です。
音:風情がありますね。お話しを聞いているうちに、スープも1滴残さず完食です。おいしかった~。手の先までぽかぽかに温まってきたように思います。 ジェニファーさん、これからもバクテーで日本人にエネルギーをください!
取材をしたチリパディの皆さま。左よりコオリさん、ジェニファーさん、マキちゃん
●チリパディ Chilli Padi
住所:鎌倉市稲村ケ崎3-1-17
電話:0467-23-2677
営業時間:11:30~14:30、17:00~20:30LO
定休日:月 ※祝日のときは翌日
席数:18席
カード:可
アクセス:江ノ電稲村ケ崎から徒歩1分
※席数がすくないので予約をおすすめ
お店の情報はこちらにも
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